つい、お米を食べたくなる
そんなお話。
濱田精麦株式会社
事業内容 :生産事業(米穀、大麦、もち麦、エン麦、酒米粉)
米穀販売事業(米穀、大麦、米穀食品、酒米粉)
輸入米穀事業
不動産事業
本社所在地 :〒259-1146 神奈川県伊勢原市鈴川19
話者 : 取締役営業部長 濱田翔大様
ウェブサイト : https://www.hamadaseibaku.co.jp/
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精麦からパックご飯へ 110年の伝統が育む新たな食文化

レンジで温めるだけで、いつでもどこでもほかほかのご飯が食べられる「パックご飯」。創業から110年以上の歴史を持つ濱田精麦株式会社では、精麦業に始まるさまざまな事業を展開しています。「伝統と継承」を大切にしながら、常に新しいことへのチャレンジを続ける濱田精麦が現在注力しているパックご飯事業について、取締役営業部長の濱田翔大さんにお話を伺いました。

創業から110年余。パックご飯で広がる新たな可能性

濱田精麦の歴史は、大正2年(1913年)、静岡県沼津市における精麦業に始まりました。関東大震災後に神奈川県足柄上郡吉田島村(現在の松田町)に移転し、その後、伊勢原町(現在の伊勢原市)で事業を本格的に再開。そして昭和26年(1951年)には株式会社となり、以後、精麦業を主軸としながら事業を拡大してきました。平成25年(2013年)には創業100周年を迎え、現在では米加工・麦加工・酒糠加工・米穀販売・倉庫保管業・不動産賃貸業など、多岐にわたる事業を展開しています。

私たちは長年、精麦業を中心として、主に食品メーカーや酒造会社、小売業者などの企業顧客にサービスを提供するいわばBtoB事業に従事してきました。しかし、このやり方では一般の消費者の方々に私たちの存在がなかなか伝わりにくく、他の会社との違いも出しにくい点が大きな課題でした。そこで、もともと小さく展開、作っていたパックご飯に力を入れて、もっと多くの人に知ってもらう道を目指していくことになったのです。

熊本地震での被災経験を機に、パックご飯の事業に本格参入

この決断に至る最初のきっかけは、平成28年(2016年)、私の妻が里帰り出産をした際、熊本地震の前震に遭ったことにありました。すぐに私も熊本へかけつけましたが、ほどなくして本震に巻き込まれ、電気もガスも使えない状況になってしまったんです。そんな時、湯せんでも簡単に食べられるパックご飯の存在に本当に助けられました。またいつ来るかわからない余震におびえ、心身共に追い込まれているときに、いつも食べているご飯を食べられることがどれだけありがたかったことか。まさに「食べることは生きること」だと思いました。

この体験から、まずは熊本の復興支援をしたいと思い、パッケージにくまモンをあしらったパックごはん(がまだせ熊本ごはん)を製造・販売しました。それ以降、普段使いはもちろん、災害時にも役立つ防災食品としてのパックご飯の開発と販売に力を入れるようになりました。

このように、復興支援をきっかけにパックご飯に注力したことで、もう一つの気づきがありました。それは、当社が「ハマダの元気な食卓」パックご飯という自社製品を強化したことによって消費者の皆さんにわが社の名前を覚えてもらいやすくなり、当社が市場において少しずつ存在感を出せるようになってきたということです。これを機に、自社商品をつくることを通してさらなる会社のブランディングをしたいと考えるようになりました。

「ハマダの元気な食卓」:伝統を受け継ぐ品質へのこだわり

当社のパックご飯には「ハマダの元気な食卓」というマークが付いています。これは今から約21年前に亡くなった先代社長(現社長の父親)の想いを踏襲したものです。このマークには、便利なパックご飯を通じて、忙しい現代においてもしっかりした食事を楽しんでほしい、そして家族みんなが健康で食卓に笑顔があふれることを願う気持ちが込められています。

地産地消の推進:産地との密接な関わりが生む豊かな味わい

パックご飯を作る時に大切にしているのは、産地とのつながりです。例えば、北海道のお米、もち麦や愛媛のお米、はだか麦など、生産者の方々と直接やり取りしながら商品化を進めています。また、当社は元々精麦業から始まった会社なので、「広島もち麦ごはん」や「愛媛はだか麦ごはん」など、お米だけではなく麦にもこだわった商品作りにも力を入れています。

このように、各地の生産者の方々と密につながり、それぞれの地域の特色ある農産物を用いることで高品質な原料を確保できますし、それぞれの土地の味わいをお客様に届けられると思っています。さらには地域の農業を応援することにもなり、日本の食文化を守ることにもつながっていくと信じています。

お米と大麦、もち麦の新たな可能性:健康志向に応える多様な商品展開を

実は最近の国内では、段々とお米を食べなくなってきたことで消費が落ちています。これは本当に心配すべきことだと思っています。日本の主食であるお米の消費量が減っているということは、食生活の変化や健康面での影響など、いろんな問題が生じることが考えられるからです。特に最近では、自宅に炊飯器を持たず、日々の生活の中でお米を炊く習慣がない人も増えていると聞いています。

でも、たとえ自宅でご飯を炊くのが面倒でも「パックご飯」という選択肢があれば、おいしいお米をもっと気軽に食べてもらえるのではないでしょうか。忙しい日々の生活のなかでも手軽に本格的な味わいのご飯を楽しめるパックご飯の存在は、お米離れを止める解決策の一つになると私は思っています。

また、精麦にルーツを持つ当社では、米だけでなく、大麦にも深いこだわりを持っています。当社のパックご飯を通じて消費者の皆さんに麦の食感や栄養の良さを知ってもらうことで、普段の食事にも麦を取り入れてもらえたらとても嬉しいですね。大麦はカルシウムやカリウムといった栄養価が高く、なおかつ水溶性食物繊維も豊富なので、健康を気にする方にもおすすめです。

ですから、当社のもち麦入りのパックご飯などを一度食べていただければ、大麦・もち麦の食感や栄養の良さが実感できると思います。これをきっかけに、普段の食事にも麦を取り入れてもらえたら、より健康的で多様な食生活にもつながっていくのではないでしょうか。

今後の展望:日本の食文化を守り、新しい食のスタイルを提案

今後は、この「ハマダの元気な食卓」パックご飯を通じて、お米と大麦・もち麦の魅力をもっともっと多くの人に知ってもらいたいと願っています。特に若い人や一人暮らしの人、忙しい共稼ぎの人たちにも、パックご飯の美味しさと便利さを知ってもらうことによって、お米離れに少しでも歯止めをかけられたらいいなと思っています。

それに加えて、日本各地の特色ある米や麦を使った商品開発にも力を入れていきたいと考えています。例えば、各地の有名なブランド米を使ったパックご飯や、地元の特産品を加えた商品を作ることで、さらにバラエティ豊かな商品ラインナップを展開していく予定です。

おいしいお米を次の世代に引き継いでいくためにも、私たちは環境への配慮にも全社を挙げて取り組んでいます。例えば包装材における環境負荷の軽減や、製造過程でのエネルギー効率の向上など、持続可能な製品づくりにも取り組んでいきたいと考えています。

これらも私たちは社員一丸となり、便利で美味しくて、しかも健康にも良い製品を食卓にお届けすることをとおして、日本のそして世界の食生活をさらに豊かにしていきたいと願っています。元気な食卓を日本中にお届けしたい、それが我々の想いです。

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