つい、お米を食べたくなる
そんなお話。
株式会社コープライスセンター
事業内容 :コープこうべの精米工場として組合員から信頼を得る「確かな商品」を製造する。
本社所在地 :兵庫県加古郡稲美町六分一字百丁歩1362番地80
話者 : 前代表取締役社長 大原 昭彦様

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生協という組織だからできること。安心・安全なお米を組合員に届けつつ、日本全体にお米の多様な価値と必要性を発信していく。

コープの精米工場として、生協組合員から信頼される「確かな商品」を製造するコープライスセンター様。農協を通して安心できるお米を仕入れ、自社で高いレベルの検査を実施し、安全な商品を届ける。生協という、組合員で構成され人や地域とのつながりを大切にしている組織だからこそ、社会課題への取組みに必要な情報・思いが集まる仕組みがあること、その中でも改めてお米が必要と感じられたお話について伺いました。

組合員さんが協力してくれるからこそ、できることがある

生協は組合員さんのご協力によって、社会課題へも食料品提供などで取り組みをしてきました。その一つとして、保管期限が切れているものの、食べてもらうには問題のないお米・カレー・パスタなどを寄付してもらい、地域のフードバンク・子ども食堂などを展開されている組織に提供する活動があります。

それとは別に、組合員さんからの募金で、買っていただくのと同等の商品をお届けするといった活動にも取り組んでいます。

我々単独でそのようなことはできないので、生協という組織・組合員さんに協力いただいてこそ、そういった形で社会貢献、貧困問題にも取り組めています。

お米が求められている

そのような寄付活動で、大変印象深かったことがあります。組合員さんから1000万円を超える募金をしていただき、地域のNPO・孤児院・学校・子ども食堂に寄付をさせていただくことになりました。その際、いろいろな所で「どんな食品でも提供できますよ」とお伝えし希望をヒアリングしたんですが、やっぱりお米だったんです。パスタやレトルトカレー等いろんな種類を考えていたんですが、「いやいや全額をお米で提供してほしい!」と。結果、全額をお米に変えることになり、精米したての新鮮な24トンのお米を提供しました。炊き立てのご飯と卵焼きと味噌汁みたいな、一番普通のご飯を食べるのが嬉しいのかなと思いますね。 

お米は食糧を超えた存在

世界中で、お米がお金の代わりだったっていう歴史を持ってるのは日本だけだと思います。百数十年前までお米がお金代わりだったんですよ。食べ物という枠を超えた「歴史や文化の延長線上にあるもの」ということを、もっと真剣に伝えていかないといけないのかなと。

食教育という面でもお米は特別な存在と感じています。

兵庫県のPBコシヒカリで“つちかおり米”というお米があって、なるべく農薬を使わずに安心安全なお米を農家さんの協力を得てつくってもらっています。毎年田んぼをお借りして、組合員さんのご家族とともに自分たちで植えたお米を稲刈りして。釜でご飯を炊いておにぎりを作って食べます。当社単独ではできないんですが、そんなことをもっと広げていく事によって、家族交流やお子さんの食育の一環になればと取り組んでいます。

これも日本ならではの、米文化が根付いている部分が大きいのかなと思います。

また、田んぼは溜池があったり、川から水を引いたりすることで、水害から町を守る役割も担っています。食糧としてのお米の価値も大事ですが、自然のダムとしての田んぼがなくなると、日本の国土に与える自然災害等の悪影響も心配です。

お米・加工品・副産物の好循環を回すことが大事

築野さんのところの商品を色々見せてもらって、米ぬかに思わぬ用途があったり、その栄養成分の豊富さにびっくりしました。僕は本部で販促の仕事をしていたのに、知らなかった。ということは一般の人は知っているわけがない。築野さんがこめ油だけの会社でなく、「こんなものまで作ってる」「米ぬかそのものがたくさんの可能性を秘めている」という事を伝えることで、米ぬかの需要も高くなっていくのかなと。極端な話、お米そのものの消費量が増えなかったとしても、お米から作られる加工品や副産物の需要が高くなれば、お米の生産量が減らさずに済む。コロナの問題もあって大豆やトウモロコシも不安定で、食糧難の可能性が叫ばれる中、どんな形でもお米の生産量が維持・向上できることはとても大事ですよね。

生協という信頼・実績があってできること

ちょうど今やっている取り組みで、カタログの中に「〇〇で困ってる人のために募金を集めています」というような掲載をしています。募金のコードのところに1と記入し購入することで、商品+100円が募金される仕組みです。主に被災者の方々などを支援するシステムで、この3月にもウクライナへの募金を呼びかけたら、宅配同梱チラシだけで1週間で8800万円分が集まりました。50万世帯あってそのうちの8万人が募金しているんです。実績があって信用しているところが呼びかけるから、これだけ支持を頂けるのだろうなと、改めて生協という組織のネームバリューや歴史を感じます。

もともと生協がやってきたことの延長線上に、SDGsというキーワードでいろいろな人・組織が繋がることで、食の安全や環境を守ることに今後も貢献していきたいなと思っています。

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