つい、お米を食べたくなる
そんなお話。
幸福米殻株式会社
本社所在地 :大阪府枚方市茄子作南町1312
話者 : 代表取締役 北本 武様
ウェブサイト : https://www.e-komeya.co.jp/
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食から美へ、美から健康へ、健康から環境へ。事業の水平展開にこだわり、お米の新たな価値創出により幸せの創造と社会課題の解決を目指す。

創業50年を迎えた幸福米穀株式会社。「素材を科学し、幸せを創造する」をコンセプトに、食品・美容・健康食品・環境の4分野に基づいた関連会社をもつ幸福グループを運営。

お米の卸売業にとどまらず、お米の成分を使った基礎化粧品・ヘアケア商材・健康食品の販売、素材の研究、バイオマス事業など、多岐に渡り展開。

お米の多様性や新たな価値創造を日々求めるのは、「お米の持つ無限の可能性に心酔している」というグループトップの北本代表。ライスビジネスへ果敢に取り組む原動力や、新たな取り組み、今後の展開を語っていただきました。

お客様にお米の新たな価値を直接届ける

幸福グループは事業会社として7社あり、ホールディングス化しています。コンセプトは「素材を科学し、幸せを創造する」。素材とはもちろんお米ですね。簡単に会社を説明すると、創業当初から手掛ける米卸事業の他に、加工食品事業や冷凍食品事業を行う「幸福フーズ」があります。ここでは、お米の可能性を最大限に引き出して市場を拡大することを目指して、玄米や米粉を利用した様々な食品を開発しています。ブラウンライスケーキという100円均一ショップさんにも卸している人気商品もあり、現在はグルテンフリーのピザや、冷凍の米粉うどんなどを開発中です。

また、リテール事業として、シャトレーゼのフランチャイズ事業や、食パン専門店、玄米のパン屋なども運営しています。ベーカリー事業は直営店舗のほか、加盟店も15店舗ほどあり、当社で仕入れたお米を製粉して供給しています。

また、2021年6月には「ミル総本社」という通販会社をグループ化しました。その会社は健康食品を扱い、会員数が現在約12万人。D2Cマーケットにおいてもお米の価値を提供できるようにしたいと思ったのです。今後は、このマーケットにお米や米ぬかの健康成分が豊富な食品などの提供を展開していきたいと思っています。

お米美人も幸福グループから

美容事業としては、もともと義兄がやっていた「ハピネス」という美容室が京阪神に16店舗あります。ここで人気だったヘアケア剤を他の店舗などにも販売しようということで、「ケアネス」というブランドラインを立ち上げました。ヘアケア剤に限らず、お米の成分を使った基礎化粧品も販売していきたいと思い、理化学研究所と一緒に、オリジナルの特許取得成分「RICE B50」を生み出しました。その成分を使い、様々な商材を展開していきたいなと思っています。

売ることができないお米の再利用で環境保全

環境分野においては、バイオマスレジンホールディングスとの業務提携でライスレジンの開発を行っています。ライスレジンは、食用に適さない古米や破砕米など、肥料としても処理されず廃棄されてしまうお米を使った「国産バイオマスプラスチック」です。すでに当社で使うお米の袋に使ったりしています。

垂直ではなく水平展開することで、お米の消費を底上げする

事業展開のきっかけは、築野社長の「当社は米ぬかの高度利用で手一杯だから、お米屋さんにはお米の高度利用をやってほしい」という言葉なんです。そのときは、まだパン屋を1店舗やっていたぐらいだったかな。そこからいろんなことを追求し始めましたね。今はお米の研究をやっている大学なども多いから、そういうところとどんどん繋がっていき、オープンイノベーションなど情報を取り入れて、いろんな商品を開発していけたらいいなと思っています。

やっぱり目指すところの一番はお米の消費拡大です。主食としての消費を拡大するために炊飯米やパックライスとご飯の形態を変えて提供していくことも重要だと思います。でも、そのように垂直に深掘りするだけでは需要が劇的に伸びるわけではない。だからこそ横に水平展開していこうと思っています。お米からうどんやパンをつくったり、バイオマス袋、化粧品などに変化させたりしていくことで、これからお米の消費が上がっていくのかなと思います。

やっぱり消費者さんを知ることから

あとは、消費者さんにきちんと価値を届けないといけないですよね。当社が通販事業者と統合したというのもそういう想いがあって。ただ小売店さんに並べてもらって置いているだけでは売れない。「当社の商品はこういう成分が配合されてて…」と、価値をきちんと消費者に届けることができるじゃないですか。そういう風に、どんどん付加価値をつけていけるようになれば、米の消費自体も上げていけるかなって。

お米の魅力は、シンプルに商材としては日本の主食で、戦略作物だし、日本人には切っても切り離せないものですよね。体にも合っているし。無意識に食べているからこそ、良さがわからなくなっている。その価値を途絶えさせないようにしていきたいですね。

今後は医療分野への進出や、若手社長の育成を

今後の夢は、SDGsの17項目で貢献できるようにしていきたいということです。また、さらにお米の価値を創造していきたいです。食から美へ。美から健康へ。次は医療分野。

あとは、当社のグループでいうと、若手の社長を創ることですね。今実際、4人をリーダーにしているのですが、もはや一人の王様ががんばる時代じゃないですよね。お米という大きなテーマにおいて、その価値を各々の得意分野で広げていき、最終的にONEチームとしてまとめる。マネジメントとしては難しいけど、その分予期せぬアイデアが生まれると思っています。

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