つい、お米を食べたくなる
そんなお話。
奈良第一食糧株式会社
事業内容 :米穀関連商品の販売
本社所在地 :奈良県奈良市今市町78-1
話者 : 代表取締役社長 小泉 茂様
ウェブサイト : https://naradaiichi.com/
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地域の生活とともに歩んで半世紀 奈良第一食糧の歴史とこれから

奈良第一食糧株式会社は、国内最多の世界遺産登録数と国宝建造物の数を誇る奈良県で、昭和46年の創業以来、安心安全で高品質なお米を提供し続けてきました。半世紀にわたる同社の地域に寄り添った事業活動と、コメを取り巻く変化、そして今後の展望についてお話を伺いました。

 

顧客とお米屋さんとの関係性は時代とともに変わった

当社は、昭和46年に奈良県下4つの卸売会社が統合し新会社を設立したときに誕生しました。県下一円を営業区域として、米穀や食料品、およびその他関連商品の卸売販売業を行い、現在では営業区域を近畿一円に拡大して米穀関連商品の販売を行っています。令和3年11月1日で創立50周年を迎えました。50周年を期に新社屋を建築し、心新たに営業を開始しています。

 

私は会社が発足して4年半ほど経過した頃に入社しました。当時は営業職で、飲料水や調味料、小麦粉などの米以外の商品を扱っていて、そういった商品の販売を通して仕事を覚えるところから入りました。

 

45年前からコメに関する仕事に携わって感じるのは、当時の消費者のお米に対するイメージと、今の消費者のイメージとが大きく変わったということです。多くのお米屋さんは地域のお世話役的な役割を持っていて、重い米袋や調味料などを台所まで入って配達する光景も当たり前のようにありました。お店と消費者がかなり近い存在でつながっていたからこそ、商売にも温かさがあったように思います。

 

そもそも今は、専門店という存在がだんだんなくなっていますよね。私の田舎にもかつては文房具屋、駄菓子屋、タバコ屋、魚屋などありましたが、今は全部閉店しています。お米屋さんでしか味わえないようなことを通して、またお客さんと強いつながりを持てたら一番良いと思うのですが、それはなかなか難しいことですね。

 

お米を取り巻く環境は厳しくなっている

 

市場におけるコメの動きは、この半世紀で大きく変わりました。平成7年までは食糧管理法に守られてきたお米の販売ですが、それが新食糧法になって規制緩和されてからは、町の米穀店がだんだんと苦しくなっていきました。とにかく会社として生き残っていかなければならないので、あらゆるところに売りに行きました。

 

当社のお得意さんは米穀店ですから、最初は量販店に売りに行くのもなかなかハードルが高かったですね。時には「なんであんな値段で売るんだ」と、米穀店さんからクレームやお叱りを受けたこともあります。それでもお米の販売には許可制度があったので、その許可証を片手になんとか商売できたような時代でした。

 

当社も量販店や飲食店、事業所給食などにも参入していく形で、かなり苦労しましたがうまく時代の流れに乗れたと思っています。そのおかげさまで現在も事業を続けられています。

 

世界の食糧事情とお米

諸外国の情勢を色々聞いていると、食料不足が深刻化している国もあるようです。私は平成5年のコメパニックを今でも鮮明に覚えています。量販店などにお米を持っていけば、お客さんがずらっと並んで待っている。あのときは玄米で一俵5万円のものが流通していました。今は一俵1万5000円ほどですから、異常でしたね。

 

もしまたあんな現象が起きれば、貧困家庭が非常に多いと叫ばれている今の世の中で、お米が食べたくても買えない人が出てくるんじゃないかと一抹の不安を感じています。諸般の事情により、食糧はお金を出しても買えない時代もやってくるかも知れません。

 

厳しい環境の中でも、事業を継続していくために

 

日本の食料自給率を守っていくのは基本的に米しかないと思っています。そのためには、食の多様化に対応していかなければならないと考えます。

 

魚が嫌い、野菜が嫌いという人はいますが、米が嫌いという人はいない。それがお米の魅力だと私は思っています。お米は毎日食べても飽きないですし、日本人がいる以上は衰退するものではない。だから、これからも必ず食卓に必要なものだと思います。

 

卸売業は米だけに限らず、どこの業界でも残っていくのが難しいと言われています。当社も精米工場を持っていますので、これからもお米を玄米から白米にする仕事は最低限残ると思いますが、それだけでやっていけるのかと言うと疑問が残ります。ですから、そこから先は時代に合った形で進めていく必要があると思います。

 

先ずは商売の基本である信用をベースとして、「利他即自利」のために、常に変化し続ける事が今後の事業継続に必要な事と考えます。社員の健康を一番に考え、安心安全な職場づくりへの取り組みを目指しています。

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