1897年、新潟で創業されたたいまつ食品株式会社様。お米の集荷業から始まり、現在ではお餅やデザートも取り扱うなど、商品ラインナップは多岐にわたります。根底にあるのは、長年にわたる地域とのつながり。地元の農家の方々と共に、事業を展開されてこられました。今回は、事業内容やお米へのこだわりなど、たいまつ食品株式会社様の思いをお届けします。
弊社は、米どころ新潟で生まれた企業です。始めはお米の集荷業からスタートし、1958年にはお餅の取り扱いも開始しました。弊社のスタンスは、お米の生産から販売に至るまでをフォローすること。そして、とことん地元にこだわることです。
「村松育ちこがねもち」は、弊社の地元、新潟県五泉市村松産のこがねもち米を100%使用したお餅です。
地域の農家の方々と一体となって、事業を行っています。
また、弊社のグループ企業「川内ライスプラント」では、地域の生産者の方々と共に東京ドーム約10個分の水田を管理しています。
地元のものにこだわったお米やもち米などの販売を行っているのが、弊社の特徴です。
弊社は、創業以来、包装餅、お鏡餅、米飯、ゼリー、桑の葉パウダーなど、多様なラインナップを取り揃えるようになっていきました。
お餅を軸にしている企業なのに、取扱商品の中に「ゼリー」や「桑の葉パウダー」があるのは珍しいかもしれませんね。
ゼリーの販売を開始したのは、1977年です。
当時、おもちは冬物商売でした。正念場は、8月から12月。逆を言えば、それ以外の期間は空きができてしまっていました。その期間に何かできることはないか、と模索した結果、たどり着いたのがゼリーです。夏場に需要があるのと同時に、弊社の鏡餅の充填機が、ゼリーのパックに応用できることも決め手になりました。現在は、パウチタイプのゼリーも取り扱っています。
2005年には、桑の葉パウダーの製造販売も開始しました。
同じ新潟県内の最北端に、桑の葉の町、村上市があります。そこの桑畑を何とか活用できないか、という声が上がり、弊社が桑の葉パウダーの商品開発を開始しました。パウダーはスティック状になっていて、水などに溶かして召し上がっていただけます。一般的には、蚕の餌として知られている桑の葉ですが、実は食物繊維やビタミンが豊富です。メタボリックシンドロームにも効果が期待できる、という研究成果も発表されています。新潟県県知事表彰にて、技術賞を受賞した商品でもあります。
米は相場物なので、どうしても年によって値段が上下します。しかし、値段が上がったとしても、農家の方々は弊社にお米を納めてくださいます。長年のお付き合いがあり、築いてきた絆があるからだと思います。とてもありがたいことです。
弊社を信じてくださっている分、弊社も農家さんを尊重する姿勢は崩せません。それに、毎年納めてくださるお米はどれも品質がよくおいしいので、相場より高い買い取りになるのは、当然のことです。
地元の農家さんとのつながりがあるからこそ、できることもあります。
たとえば、取引先のバイヤーさんや、お客様と一緒に田んぼに入って作付けや刈り取りを行うイベントです。
近年はコロナの影響もあって開催が難しいのですが、過去にはそういった活動も行っていました。作付けから刈り取りまで行い、お米の品質検査終了後には、加工の工程を工場で見学していただくのです。
こういったイベントは、農家の方に負担がかかることも少なからずあります。繁忙期での開催は、本来の仕事の合間を縫って準備していただくこともあるからです。それでもイベントをお願いできるのは、地域とのつながりがあるからこそだと思っています。
それに、実際にお客様やお子様と一緒に作業をしていると、農家の方々も、自然と笑顔があふれてきます。農家と消費者のつながりもできる、素敵なイベントです。
日本は、古くから「瑞穂の国」と呼ばれ、稲作を中心に発展してきました。2000年以上稲作が続いてきた理由の1つには、日本の独特な地形があります。
日本には、標高2000メートルから3000メートル級の山々が連なっています。そこから流れる川は、日本海や太平洋に下っていきます。平野には広い土地があり、そこで稲作を行ってきました。豊かな水は日本に恵みを与え、時には水がめとなり、災害から人々を守りました。
日本と稲作の相性はすこぶる良かったのです。だからこそ、稲作は2000年以上続いてきました。
これからの世界に目を向けると、今後ますます人口が増え、必要な食糧も増えていくと予想されています。食糧が足りなくなり、飢餓が拡大する可能性は、十分に考えられます。
増えていく人口に対して、どのように対応していけばいいのでしょうか。
日本では、米の自給率が唯一100パーセントです。
今一度、「瑞穂の国」日本として、稲作を食糧として考え直す時期に来ていると思います。
弊社は、稲作を中心としている企業です。今後、日本のお米をどう活かしていくか、考えて行く必要があると思っています。