つい、お米を食べたくなる
そんなお話。
津田物産株式会社
事業内容 :米穀卸売販売、原材料用米穀卸売販売、酒造用米卸売販売、主食米搗精業、食品卸売販売、営業倉庫業、運送業務取扱業、ビル賃貸業
本社所在地 :大阪市鶴見区放出東3丁目7番3号
話者 : 代表取締役社長 黒川 悦春様
ウェブサイト : https://ricefriend.com/
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お米の価値を伝え、
三方よしの経営と挑戦を継続していく

経営理念として「産地と消費者を結ぶ代理店」を掲げ活躍されている津田物産様。今回お話を伺った黒川社長が入社された20数年前から名刺にも書かれていた理念「地球に優しい食づくり」を薫陶に、御得意先・御取引先の幸せを大切に考えながら、お米の未来を作り出し続けるチャレンジについて、お話を伺いました。

##経営方針として掲げ、大事にしていることが三点あります。

一点目が、「津田物産グループで働くすべての従業員の豊かな生活の確保」です。御得意先に満足していただける提案をするためには従業員が満足な生活を送り幸せでなければ、できないと考えています。

コロナウイルス感染症が拡大してからの2年半は、特に従業員の頑張りというのを感じましたし、ますますこの想いは自身の中で強くなっています。

二点目が、「三方よしの企業経営」で、産地様、御得意先、津田物産グループが満足できるような商売をしていく。具体的には産地様が丹精込めて作ったお米を、どこでどのように販売されているかをしっかり伝えるようにしています。これがお客さんの安心と生産者のやりがいになってくるので、常に高い意識を持った生産者さんが良質なお米を納めてくださっています。

三点目が、「自主的で継続的な改善・開拓」です。米の消費量は年々落ちています。そこで2020年から未来創造課を立ち上げました。お米の未来、産地様の未来、津田物産グループの未来をつくり出しましょうということで、ギフト関連の商品を製造したり、有機玄米を使った玄米スープリゾットを作ったりと、需要を作り出す動きをしています。築野さんにも協力してもらって米油を使ったご飯のお供を作ったりもしましたね。コメを扱っていない所にもコメの販売をするチャレンジをしています。

また今年度、海外への展開ということで国際部というのを立ち上げました。この4月からは海外の方を正社員として迎え、今後も積極的に採用をしていくつもりです。

津田物産グループの販売としては日本国内では市場が縮小していますから、販売するマーケットを増やしたり、扱う品目を増やしたりと、多面的な事業展開にチャレンジし続けています。

##お米はスーパーフード 

長く米の消費拡大に努めてきましたが、一向に進まない一因が「糖質カット」という概念です。これって実は誤解なんです。麦とかパンの方が、糖質が高い上に油分も多い食品です。お米はタンパク質もビタミンも含まれていますし、お米の脂質は築野食品さんも扱われている「こめ油」でも示されている通り、栄養成分が非常に高くて、抗酸化作用もある、有効な脂質です。

そういう食品であるにも関わらず「米=でんぷん」「でんぷんを多く食べると太る=お米を食べなければ太らない」という誤解が多く広まりました。

欧米でグルテンフリー食品の人気が高いのは、グルテン成分が体に悪影響と感じる方々も少なくないからと思います。ダイエットの効果としてもお米を食べることの方が、効果が高いと医学的にも言われ始めています。

そういった視点で見ると、お米ってスーパーフードなんですよね。これから食糧難の時代が到来した時、お米の生産が維持されなくなるということは、食糧が取れなくなるだけじゃなくて、地球環境や健康面でもマイナスの事だらけになってしまいます。

それでなくても人口が減っているので、農業地帯、山村地域がどんどん過疎化していく、ということにもつながってしまいます。

小さい時の食事習慣はとても大切です。弊社も学校給食向けに納品していますが、食育という観点も含め、授業に生産者さんに来てもらうという動きをしています。小さい時からお米を食べる習慣を付け、お米ってやっぱりいいよねという認識を高めることも、自社の重要な役割に掲げています。

(左奥から:ライスフレンド株式会社 吉本様、津田物産株式会社 黒川様、産地精米株式会社 小島様)

##津田物産グループの未来について

2025年が津田物産の創業100周年になります。大阪万博もあるし、津田物産にとっていい形で100周年を迎えたいと、今まさに続けている新たなチャレンジをどんどん大きくしていきたいなと思います。

企業というのは、「継続して社会へ貢献する」というのが一番なので、100周年で終わるわけにはいきませんし、110年120年と続いていくには、人が育っていかないといけない。そのために、理念を持ち続けて経営していかないといけないと感じています。国際部では香港の方が入社してくれましたが、そういった多様性をもつことで他の社員も刺激を受けていますし、チャレンジしやすい環境になっています。

お米ってとても身近な存在に感じますが、実際には日本の食料自給率が低い上に、我々が商売をしている大阪で言うと1%しかありません。だからこそ、しっかりと有能な産地の皆様からお米を預かり、消費者の皆様へお届けする。そういった僕らの事業は非常に重要な存在だと感じています。社員にも誇れるような仕事をして欲しいと伝えています。

お米の普及については各社やられているかと思いますが、共通して言えるのは「お米の魅力をもっと伝えたい」、その一点だと思っています。津田物産グループらしい形でそこへ貢献していきたいと考えています。

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