つい、お米を食べたくなる
そんなお話。
柏原ゆきよ様
事業内容 :一般社団法人日本健康食育協会代表理事。一般社団法人食アスリート協会副代表理事。管理栄養士。
話者 : 柏原ゆきよ様
ウェブサイト : https://jhe.or.jp/
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「10万人の食事指導で実証」お米は美容&健康レベルアップの食材!独自メソッドで食の安心を提案

近年、お米の消費量が減少しています。糖質制限やダイエットなどをテーマにしたメディアにおいて、お米は太るものとして取り上げられたことが、その理由の一つです。これに対して、「お米を食べることは心を豊かにし健康にもなれる」と提唱するのは、管理栄養士の柏原ゆきよさん。著書「お腹からやせる食べ方」では、約10万人への食事アドバイスによる結果に基づいた、お米中心の食事メソッドを伝授しています。今回柏原さんに、お米が持つ魅力とお米と食生活との関係性や、米業界が抱える課題についてお話を伺いました。

 

お米の既成概念を変える正しい食事法

世の中では「お米を食べると太る」と、メディアや雑誌、SNSなどで、お米が悪者として取り上げられています。しかし一方で、健康推進運動が始まった2000年以来約20年が経過しましたが、生活習慣病や糖尿病の患者数は、減るどころか増え続けています。

なぜそのような事態が起きているのか。その背景の一つに、日本では気軽に専門家から食事指導を受けられる機会が少ないことがあります。そして、本来食事指導を行うはずの栄養士や管理栄養士がきちんと食事をしていなかったり過度なダイエットをしたり、正しい知識を持っていたとしてもそれを活かして活躍できる環境が限られていることも、お米の知識が正しく浸透していない理由です。

そのようなお米のイメージを変え、栄養士や管理栄養士の育成と活躍できる環境作りを通して、正しい食事法を広めたい。そのような思いで、2005年食育基本法が制定されると共に、「健康食育マスター講座」をスタートさせました。そして、これまで約10万人へお米を中心とした食事アドバイスを行ってきた結果、多くの人が体質改善できることを実証。お米は太るという世の中の既成概念を変えるとともに、お米の普及活動を続けています。

お米の消費量を増やす鍵は業界の発信力

 

糖質に対する悪いイメージは、お米の消費量減少に影響を及ぼしていますが、同じように主食として食べられることが多いパンや麺類は、糖質を含む食材にもかかわらず売り上げを伸ばしています。このような差が生まれる理由は、業界のPR力が関係していると考えます。

パンや麺は、次々と新商品が開発され、消費者向けの様々なキャンペーン企画が実施されるなど、積極的なPR活動が行われており、消費者もメディアやSNSからの情報を頻繁に目にする環境です。一方で、お米は昔から日本人の主食として当たり前のように消費されてきたため、お米業界においてはPRや新しい提案が積極的に行われてきませんでした。

私は、お米に関わる生産者や業界関係者は、もっと消費者の立場になってどうしたら消費者が買いたいと思うのかを検討し、消費者に選ばれる工夫や提案力、発信力を強化していく必要があると思います。

また、2015年から国が健康経営に投資を始めました。お米業界に関わる企業が健康経営に取り組み、自分たちが率先してお米を食べて健康レベルが高くなることを業界内で実証できれば、消費者への説得力も増します。

実際に健康経営を導入し、成功した代表的な事例が、株式会社タニタ(以下、タニタへ省略)です。タニタは「タニタ健康プログラム」という社員向けの健康プログラムを2009年に実施し、社員の医療費削減に成功。計測機器メーカーから健康に寄り添う企業へと、見事にブランドイメージを転換させています。

お米業界では、未だ健康経営への関心が薄いことから、今後価格競争以外で売上を伸ばし、消費を伸ばす手法として、健康をテーマにした活動が有効であると考えています。

 

「1日3食」お米中心の食生活で心も体も整う

お米はエネルギーになる糖質だけでなく、ビタミンやミネラル、たんぱく質も含んだマルチ食材です。通常、食事バランスはいろいろな食材の組み合わせで総合的に判断するため、お米を土台にすると、足りない栄養素をおかずで補うだけで、バランスの整った食事になるのです。

また、何千年もの間、お米主体の食生活をしてきた私たち日本人の体は、消化機能や代謝機能、排出機能もすべてお米に合った体質を受け継いでいるため、お米を主体にした食事バランスで、健康やダイエット、美容への結果が出やすくなります。
実際に、貧血だからとレバーやひじきを食べても結果が出ない人や、メタボリック症候群で糖質を減らしたけれども改善できなかった人、カロリーを気にしてサプリで食事を減らしていた人も、私のアドバイスでご飯とみそ汁を中心にした食事内容に変えただけで、8割もの人が体質改善に成功しました。このように健康バランスとは、食事のカロリーや量で調整するのではなく、栄養素のバランスと食べ方、そして3食のパターンを整えることが大切です。

実は、私も皆さんの変化に感化され、30歳でパンや麺類中心の生活からお米中心の食生活に替えたところ、以前よりも体が軽くなり、お肌もみずみずしく艶が出るなど、体だけでなく美容面も劇的に変化しました!
このようにお米中心の食生活は、健康や美容で効果が表れるだけでなく、お惣菜やメインのおかずを買う量が減り、食費の節約にも繋がります。そして節約した分、メインのお肉を少し良いものに変えたり、調味料を少しこだわってみたりと、ほんの少し変えるだけでも、より質の高い食事を楽しむこともでき、幸福感も高まります。

「ご飯とおかずの割合を6:4」という組み合わせは、とてもシンプルで物足りなさを感じられるかもしれませんが、体質改善によってストレスも緩和され、食べたいものを食べられることで心が豊かになり、総合的に健康のレベルアップにつながります!

 

食を安心して楽しく前向きに食べられるものへ。これからもお米中心の食生活指導を続けることで、日本のお米の消費拡大と、健康長寿社会に貢献していきたいと思います。

 

 

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柏原ゆきよ

一般社団法人日本健康食育協会代表理事。一般社団法人食アスリート協会副代表理事。管理栄養士。

大学卒業後、食品流通と製造、医療や介護、美容やスポーツ、教育などの現場を経験し、サプリメントメーカーなどの役員を経て、2007年起業。

女優やモデル、経営者、アスリートなど幅広い分野で10万人以上のサポート経験から指導者として「健康食育シニアマスター」の人材育成に力を注いでいる。

ごはんとみそ汁を軸とした食の講演会は2千回を超え、海外でも大きな反響となる。

2011年、東日本大震災を契機に(一社)日本健康食育協会を設立。

雑穀ブランド「マイ穀」を開発し、岩手県の継続的な支援に貢献している。

著書に、『お腹からやせる食べ方』(三笠書房)など累計15万部。

YouTubeでは、お米先生として人気となっている。

お米チャンネル「人生が変わる食べ方」:https://bit.ly/3AZPe4h

 

 

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